50代サラリーマンの迷走投資日記

お金のこと、投資(株、株価指数CFD、iDeCoなど)、税金のことなどについてつづりたいと思います。

国民年金の未納期間がある人が満額受け取る方法はこれ ~未納期間がある場合の解決策~

年金手帳


国民年金(老齢基礎年金)の満額は780,900円(2021)

 

国民年金(老齢基礎年金)は65歳から満額(令和3年)で年間780,900円(月額約65,000円)受け取ることができます。

 

国民年金(老齢基礎年金)を満額受け取るためには、20歳から60歳までの40年間(480月)、国民年金に加入する必要があります。

 

しかし、学生時代などに国民年金の未納期間がある場合には、国民年金(老齢基礎年金)を満額受け取ることができないことになります。

 

学生時代などに、国民年金に加入できない期間があり、加入期間が480月に満たない場合は、未加入の期間に応じて国民年金(老齢基礎年金)の額が減額されます。

 

未納の国民年金保険料は追納する、または60歳以降に任意加入することで、国民年金(老齢基礎年金)を満額にすることも可能ですが、追納も任意加入もせずに、実質的に未納期間を穴埋めすることができる方法があります。

 

(例)

◇学生時代の30カ月間、国民年金に加入しなかった場合

780,900円×〔(480月-30月)÷480月〕=732,093円 … ①

年額で48,807円少なくなる。

 

この減額部分を穴埋めするための解決方法は次のとおりです。

 

60歳以降も厚生年金に加入する

 

国民年金の未加入期間部分を埋めるために、60歳以降も厚生年金に加入する方法があります。

 

国民年金(老齢基礎年金)が増えるわけではないですが、厚生年金に引き続き加入することによって、国民年金の480月に満たない期間相当額を実質的に埋めることができるのです。

 

厚生年金の経過的加算額として不足部分を受け取る

 

国民年金は20歳から60歳までしか加入できません。

しかし、厚生年金には60歳以降も加入することができるため、60歳以降も厚生年金に加入することによって、厚生年金の経過的加算額として、国民年金の不足部分相当額を受け取ることができるのです。

 

経過的加算額の計算式

 

経過的加算額の計算式は次のとおりです。

※厚生年金の加入月数(20歳~60歳の期間)が450月の場合

 

1,628円×厚生年金加入月数(上限480月)

-〔780,900円×厚生年金加入月数(20歳~60歳の期間〕÷480〕

 

=1,628円×480月-〔780,900円×450月÷480月〕

=781,440円-732,093円

=49,347円 … ②

 

この②の金額を厚生年金の経過的加算額として受け取ることができます。

 

つまり、①+②=732,093円+49,347円=781,440円を受け取ることができ、国民年金(老齢基礎年金)の不足額48,807円を穴埋めできたことになります。

 

国民年金(老齢基礎年金)を増やすことはできないが、60歳以降、引き続き会社で働くことによって、厚生年金の経過的加算額で穴埋めすることができるのです。

 

経過的加算額計算の上限は480月

 

ここで、60歳以降も引き続き会社で働いて厚生年金に加入し続ければ、その期間に応じて経過的加算がどんどん増えるのではと考える人もいるかもしれません。

 

しかし、残念ながら厚生年金の加入期間が480月(40年)になると、経過的加算額はそれ以上、増えません。経過的加算の加入期間は480月(40年)が限度になります。

 

また、経過的加算は、あくまでも経過措置であり、法令上は、「当分の間」とされていることから、将来的には制度廃止もあり得ますので、注意が必要です。

 

※「1,628円」は2021年度の厚生年金の定額単価

※「780,900円」は2021年度の国民年金(老齢基礎年金)の満額